2018年03月18日

<パックス・ジミントーナ>

政治や世の中にあまり関心がなかった若い頃。つまり学生時代の頃ですが、国際関係の授業を受けているときに強い印象を持った言葉があります。それは「パワー・オブ・バランス」と「パックス・ホニャラララ」という言葉です。なぜか、この言葉が頭の隅にひっかかりました。

簡単に説明しますと前者は「世界は力の均衡によって平和が保たれている」ことで後者は「強大な力を持つ一国によって世界の平和が保たれている状況」です。例えば「パックス・ロマーナ」とか「パックス・ブリタニカ」とか最近は「パックス・アメリカーナ」です。

「パワー・オブ・バランス」が言われていた当時は冷戦時代の真っただ中でしたので確かに当時の世界情勢を表していました。しかし、ソ連が消滅したことで世界は「パックス・アメリカーナ」に入っていきました。これまでにも幾度か書いていますが、米国のブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ書記長によって冷戦の終結が宣言されたとき、僕は興奮したのを覚えています。

「これで世界は平和になる」

しかし、人間の世界というのはそれほど単純ではなく冷戦が終わったことでそれまで抑えつけられていた民族感情が噴出して各地で紛争が勃発しました。それでも当時はまだ米国も世界の警察官を標ぼうしていましたので「パックス・アメリカーナ」が機能しなくとも「目指す気持ち」は持っていたように思います。

これも幾度も書いていますが、「戦争広告代理店」という本が書いている内容も突き詰めるなら米国に同情してもらうことが目的です。そして、それは取りも直さず「パックス・アメリカーナ」の状態であることの証明です。

しかし、その米国が世界の警察官から手を引いたばかりか自国の利益ばかりを追い求めるようになっています。トランプ政権では経済においても国際関係においても協調派といわれる人たちがどんどん政権を立ち去ったり解任されたりしています。米国はいったいどこに向かおうとしているのでしょう。とても不安です。

冷戦の終結宣言をしたのは米国のブッシュ大統領とソ連のゴルバチョフ書記長ですが、ブッシュ大統領の前のレーガン氏のときから話し合いははじまっていました。ブッシュ大統領はその路線を引き継いだことになります。実はレーガン氏は大統領に就任以来、ソ連を「悪の帝国」と呼んだり経済においては保護主義的な政策をとっていました。日米経済摩擦が起きたのもこの頃です。米国人が日本車の屋根に上りハンマーで上から叩いている映像が日本でも放映されていました。それほど超保守的な政権した。

このときはソ連が経済に行き詰まっていたこともありましたが、改革派のゴルバチョフ氏がトップに就いていましのたで武力戦争になることもなく冷戦を終結することができました。しかし、今のロシアの大統領は独裁者とも評されているプーチン氏です。

これまでもプーチン氏の評判は西側先進国では芳しくありませんでしたが、先週は英国の首相が露政権が「ロシアからの亡命者の殺人に関与している」として強く非難しました。独仏米も同調していますので対立は激しくなりそうです。

警察のいない世界を平和な社会にするのは簡単ではありません。世界が戦争に向かっているようで心配です。


翻って国内に目を転じますと安倍政権になってから日本はまさに「パックス・自民党」でした。「一強多弱」と言われていた政界ですが、ここにきて綻びが出始めているようです。僕は選挙のときは浮動票に属する人間ですが、安倍首相は少し「やりたい放題過ぎる」ように思います。

ですが安倍政権以前の混沌としていた日本政界を安定させたことは大きく評価してよいと思っています。なにしろ安倍政権が誕生するまで毎年のように首相がコロコロかわるのですから政治が前に進むはずがありません。そうした状況を落ち着かせた功績は大きなものがあります。

それを認めたうえで現在の安倍政権の批判をしますと、国民を舐めている感じがしてなりません。安倍政権の運営手法は経済を前面に打ち出しながら本来自分がやりたいことを推し進めていくやり方です。しかも残念ながらこの手法に国民がはまってしまっているように映ります。森友学園や家計学園問題であれだけ怪しい手続きがありながら選挙では圧勝しています。昔なら惨敗していてもおかしくない「怪しい手続き」でしたが、そのような向かい風の中でも圧勝できるのですから安倍首相が驕るのも致し方のないところです。

安倍政権が一強状態でいられるのは野党にも責任があります。前回の衆院選も小池都知事の「排除」の一言さえなかったなら流れは野党に向かっていた可能性があります。野党が共闘しなければ与党に勝てるはずはありません。野党は自らの立場を認めることが必要です。

それから忘れてならないのが自民党内の事情です。安倍さんに対抗する勢力が出てこないことが安倍首相に驕りを生んでいます。かつては派閥があり派閥同士でけん制しあっていましたので「行き過ぎ」を是正することができました。しかし、今の派閥にはかつてほどの力がありません。ですから、安倍一強政治が続くかと思われていました。

それがここにきて劣勢に陥ってきています。僕的にはようやっと真ん中に戻る風が吹いてきたように感じています。僕が一番気になっていたのは自民党の総裁任期を延長する動きがあったことです。権力は長期に渡ると腐敗します。「権腐十年」という言葉がありますが、安倍首相に誰も進言しなかったこと自体がすでに腐り始めている証拠です。


世の中は本当に難しいものです。冷戦を終わらせ平和な世界になるかと思いきや、冷戦が終わったがゆえに民族紛争が起こり、またロシアが西側の敵対国になろうとしています。米国も世界平和よりも自国の利益ばかりを追う国家に成り下がってしまいました。

日本の政界においても、かつては官僚政治と言われていた状態を政治家の手に取り戻すべくいろいろな改革を行ってきました。安倍政権になってからの内閣人事局の設置はその最たる例でした。それまでは官僚の人事は各省庁が決めていたのですが、その人事権を手に入れたのです。このことにより官邸政治には成功しましたが、今度は政治家の行き過ぎの歯止めを失うことになりました。

本当に世の中は難しいものです。もしかしたなら、世の中というのは安定というのが正しいあり方ではなく、常に不安定な状態でバランスをとっている状態が正しいありかたかもしれません。安定しているほうが楽ですが、神さまは人間に「常に悩み考えろ!」と言っているようです。

ちなみに、我が家は「パックス・ニョウボーナ」です。

じゃ、また。


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posted by satoaki at 14:34 | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする