2018年01月21日

<インテリ>

少し古い話ですが、年末に放映された討論番組で大学教授が漫才師に対して「無知を恥じなさい!」と叱責し、さらに司会者の田原さんが「読めよ!ちゃんと」と追随したことが話題になりました。大学教授は東京大学の井上達夫教授で漫才師はウーマンラッシュアワーの村本大輔さんです。僕はその番組を見ていないのですが、年を明けてからのamebaTVで村本さんがそのときの状況を振り返っている番組をみました。

年末のテレビ番組とは「朝まで生テレビ」ですが、この番組がまだ続いていることにちょっと驚いたのが正直な感想です。僕が見ていたのは本当の初期ですので野坂昭さん如と大島渚さんのバトルが話題になっていた頃です。番組の中で大島さんが「バカヤロー!」と切れるのは番組の名物にもなっていました。

僕は最初の数年間は観ていましたが、途中から演出の行き過ぎが鼻につくようになり観なくなりました。この番組で田原さんに気に入られて世に出た評論家や有識者がたくさんいましたが、ある時期は評論家や有識者の方々の登竜門にさえなっていた感があります。

それはともかく昨年の番組で井上教授が村本さんに「無知を恥じなさい!」と一括したことが話題になり炎上したことでこの番組がさらに注目を集めることになりました。おそらく番組的には結果的に成功したといえるはずです。

この記事を最初に読んだ時の感想は「インテリの思い上がり」です。世の中で起きていることをすべて知っている人はいません。あの「いつやるか、今でしょ!」の林先生でも世の中のこと全てを知っているわけではありません。誰でも得手不得手があります。ですから、たまたま憲法のことを知らないくらいで叱責するのはインテリの思い上がりでしかありません。それにもかかわらず番組内で誰も「インテリの思い上がり」を指摘する人がいなかったことに不快感を覚えました。

おそらくインテリの人からしますと、「国家の根幹をなす憲法はとても重要なことでそれを知らないことが問題なんだ」と批判するかもしれません。「憲法とほかの些細なことを一緒くたんにするのは大間違い」と非難するかもしれません。ですから憲法という難しく崇高なことを知っているインテリとそれを知らない凡人には人間として大きな差があるという真意が透けて見えます。

ですが、インテリの方々だけが世の中を動かしているのではありません。僕の好きな評論家に常見陽平さんという方がいますが、この方が「世の中は普通の人が動かしている」という名言を書いています。凡人をないがしろにしてはいけません。過去を振り返りますと、人類は2度も世界大戦を起こしています。インテリの人たちが常に正しい選択または行動をしていたなら世界大戦など起こっていなかったでしょう。知識をたくさん持っているからといって正しい選択をするとは限らないことを証明しています。

先日のニュースで森友学園事件における役所の官僚と籠池容疑者のやり取りが報じられていました。詳細は省きますが、その内容を見ますと官僚が籠池氏に取り込まれていく過程が見て取れます。森友学園の一番の疑問は「1億数千万円もする国有地をほぼ無償で払い下げていること」です。昨日の毎日新聞の記事にはそのやり取りが書いてありましたが、まるで詐欺師が凡人を騙すような手口が記されていました。メンタリストDaiGoさんを思わせるやり口です。

インテリの象徴である官僚なら本来はあのくらいのやり口は見抜けるはずです。しかし、あっさりと籠池容疑者のペースにはまっています。最後のほうは「無償の払い下げ」でも得をしたような気分になっている節さえうかがえます。籠池容疑者という人物は官僚という役職に就く人間の心理を熟知しており巧妙に心の中に入り込み操っています。ここで押さえておかなければいけないのは「頭の中」ではなく「心の中」ということです。

簡単に籠池ペースに陥ってしまった理由は常に保身が心の中にあったからです。国家のために公平平等に業務を全うするいう気持ちがあったなら、これほど単純なやり口に絡めとられることはなったでしょう。おそらく当の官僚の人でも今から振り返ると「どうして引っかかったのか」と不思議に感じるほど単純です。

繰り返しになりますが、官僚はインテリの象徴の方々です。凡人では絶対通過できないレベルの高い試験に合格して就ける役職です。知識や情報の量は半端ではないはずです。それでもあっさりと騙されてしまうのです。仕事をするうえで、もしくは生きていくうえで知識や情報がさほど重要ではないことを教えてくれています。

憲法を知らないことを恥じる必要はありません。おそらくインテリの人は交通誘導員の大変さを知らないでしょう。もしかしたならインテリの人は憲法と交通誘導員で優劣をつけるかもしれません。しかし、その差別意識が世界を戦争に向かわせているのです。インテリの方々はいつも人の上からしかものごと見ていませんのでそのことに気がついていません。

村本氏が叱責されたとき誰かが反対に「『憲法を知らないことを恥じなさい』と叱責する行為を恥じなさい!」と言ってくれたらよかったのに…、と僕は思いました。

…と、ここでコラムの冒頭に戻るのですが、このコラムを書くにあたり当の番組を見てみようと思い検索したところ、一連の騒動を受けたあとの村本さんが番組を振り返っているamebaTVを見ました。

その番組を見てそれまでの感想が少し変わりました。村本さんはamebaTVでいろいろ発言しているのですが、その終盤に討論番組が終わって出演者たちで懇親会のようなものをやっているときの様子を話していました。その懇親会では先の井上教授や司会者の田原さんがやってきて、番組中での態度とは打って変わって優しく接してくれたそうです。井上教授は丁寧に憲法の話などを説明して田原さんも「番組的によかった」とねぎらってくれたそうです。

この発言を聞いて僕は思いました。もしかしたら井上教授の叱責もそれに続いた田原さんの非難も番組を盛り上げるためにやったものではないか、と。その可能性は十分にあります。初期にこの番組を見ていた時、明らかに盛り上げるために過激な発言をしている出演者がいました。そして田原さんは煽っていました。その流れからしますと、僕の想像はあながち間違ってもいないように思います。

どんなに優れた観る価値がある番組でも視聴率が取れなければ価値は半減どころかないに等しいものになります。テレビ局は視聴率をとるために四苦八苦していますが、その意味で言いますと今回のことが騒動になり炎上したのはそれだけで成功ということになります。しかし、こうした発想もインテリの方々が考えそうなことなんですけど…。今のテレビ界の低視聴率の原因はこうしたところにあると思っています。

それはともかく、amebaTVを見ているときにその出演者にインテリの策略を連想させる方がいたのが気になりました。そのインテリの方は村本さんの炎上を利用して「朝まで生テレビ」に出演しようと目論んでいる様が見え見えであさましい感じがしました。なにしろ無名なインテリは無名でいる限りはインテリに価値がありません。ですので有名になるとっかかりを四方八方に求めています。インテリの方々も大変です。

じゃ、また。


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posted by satoaki at 15:16 | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする