2018年12月09日

<ゴーン氏逮捕>

日産のゴーン氏が逮捕されて約2週間が過ぎましたが、マスコミもあまり報道しなくなっています。実は先週のコラムは「ゴーン会長逮捕」について書くつもりだったのですが、元貴乃花親方の離婚が報じられましたので、ついそちらのほうを書いてしまいました。

ゴーン氏の逮捕についてはいろいろな情報や意見がマスコミに出ていますが、結局のところなにが真実なのかは今一つはっきりしないのが実際のところです。そもそも真実を突き止めるために裁判が開かれるのですから、これからが本番ということになります。

これは本題から少し離れますが、今回検察が日本人ではない、しかも社会的影響力が高い人物を逮捕したことは事件とは違う方面に影響を与えるように思っています。それは日本の司法制度における問題点です。

日本では大きな事件で容疑者を逮捕しますと勾留するのが一般的です。勾留とは「被疑者を刑事施設に留置して拘束すること」ですが、勾留する理由は被疑者が逃亡や証拠隠滅をしないようにするためです。実は、このコラムを書くにあたり調べたところ、同じ「こうりゅう」という読み方で「拘留」というものもあるそうですが、これは「勾留」とは違うものだそうです。

それはともかく、以前より被疑者の段階の人を長期間勾留することの問題点を批判している意見がありました。ですが、そうした意見はなぜかほとんど無視されてきました。それが今回ゴーン氏を勾留したことで国際的に日本の司法制度に注目が集まっています。冤罪をなくす運動をしている専門家に言わせますと、先進国の中で日本ほど司法制度において人権侵害を犯している国はないそうです。ゴーン氏の逮捕が日本の人権侵害について議論が高まるきっかけになることを願っています。

ゴーン氏逮捕から2週間も経ちますと報道も落ち着いてきていますが、報道は大まかに2つに分類できます。一つは「ゴーン氏が多額の報酬を隠していたことへの批判」であり、あと一つは「今回の逮捕は日産側のクーデターである」という指摘です。

ゴーン氏の多額の報酬については日本人の感覚からしますと、「もらい過ぎ」という印象は否めませんが、グローバル企業の経営者としては「許容範囲」とも報じられています。クーデター説については、ゴーン氏がNISSANをルノーと統合させるつもりでいたのを察知してそれを阻止するためという報道です。ルノーの売上げはNISSANよりも少なくなんとルノーの利益の半分以上はNISSANからの配当によるものだそうです。ルノーはNISSANに逃げられないように統合するつもりだったと報じられています。

ゴーン氏がNISSANにやってきたのはNISSANの業績が思わしくなかったからです。「思わしくない」どころか倒産寸前でした。僕が強く印象に残っているのはゴーン氏をNISSANに招き入れた当時の日産自動車社長・塙 義一のコメントです。

「日産は大企業なのでしがらみが強すぎて日本人では改革ができない」。

日産は赤字を垂れ流す体質を改善したくても、取引先などとのそれまでの関係があるので実行に移せないでいたそうです。その「しがらみ」を断つには「外部から人材を招き入れるしか方法はなかった」と塙氏は語っていました。

確かにゴーン氏が来てから日産はV字回復をしていますが、僕からしますと取引会社を切ったり工場を閉鎖したり従業員を解雇したり、など採算の取れない部署を削減しただけにすぎないように見えます。コストカッターに相応しいゴーン氏の手際ですが、塙氏が言うように「日産生え抜きのトップではできない改革」です。「しがらみ」のないゴーン氏だからこそできた改革です。

その意味で言いますと日産がV字回復した一番の理由はゴーン氏の手腕ではなく、単に「外部からやってきた経営者だから」ということになります。別にゴーン氏でなくてもコストカッターができる能力のある人物なら誰でもよかったようにさえ思います。

以前書いたことがありますが、ゴーン氏が来る前まで日産の業績が悪かったのは一人の労働組合のリーダーに理由があります。当時「塩路天皇」とまで言われるほど権力を持っていました。なにしろ社員の異動さえ労働組合の許可がなければできなかったのですから、力の強さがわかろうというものです。これほど労働組合が実権を握っている企業が利益を出せるはずがありません。

結局、この人物の影響力から抜け切れずにいて業績が悪化したのですが、今回もゴーン氏という一人の権力者の力によってNISSANが支配されていたことになります。NISSANは一人のカリスマ的人物に支配される遺伝子があるのかもしれません。

マスコミ報道全体を俯瞰しますと、NISSANが検察に協力していたのは事実のようです。日本初の司法取引と報じるマスコミもいますが、クーデターというよりもNISSANをゴーン氏の手から取り戻す意図があったように感じます。ですが、だからといってNISSANの幹部が正しいとは限りません。そうしたことを感じるのは昨年の秋以降に明らかになっている「品質検査関連の不正」に対するNISSANの対応に疑問を感じるからです。謝罪会見に西川社長が一度も出席していないのです。もし、企業のトップとして経営に真摯に向き合う気持ちがあるなら謝罪会見にはトップが臨むのが本来の姿です。

僕は言葉を信用しない主義です。ちょっと頭のいい人は言葉を巧みに操って、または彩って人を思い通りに動かそうとするからです。僕は行動で人を判断します。その意味で言いますと、「品質検査関連の不正」の謝罪会見に一度も出席せず部下に任せている西川社長には経営者としての姿勢に疑問を感じています。

このような状況を見ていますと、今回の事件も外部からやってきたエリートと生え抜きのエリートの争いのように思えてきます。そこには現場で一生懸命働いている人たちへの配慮が欠けているように見えます。いつも負担を押しつけられるのは現場で働いている人たちです。格差社会の原因はそこにあるのかもしれません。

そう言えば、ゴーン氏の弁護を担当するのは元東京地検特捜部長の弁護士です。今回の検察側の部長は元部下だそうです。こうした構図を見ていますと「裁判とはなんなのか」と考えてしまいます。これでは裁判が検察の元上司と部下の戦いの場にすぎないことになってしまいます。裁判が真実を求める場ではなく、単なるディベートの優劣を決める場ということです。これで公正で公平な裁判が行われるのでしょうか。

やっぱり、世の中ってエリートが支配しているのかなぁ…。

…てなことをゴーン氏逮捕事件から連想した僕です。

じゃ、また。

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posted by satoaki at 14:49 | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月02日

<やらない後悔>

僕が今週印象に残ったニュースは元貴乃花親方の離婚でした。僕の年代ですと若貴ブームが強く記憶に残っているのですが、若貴兄弟が最初にマスコミで取り上げられたのは、親方の子どもから弟子に立場が変わったときです。テレビで「若貴兄弟が子供部屋から力士部屋へ引っ越す」様子が放映されていました。このときのお母様(現・藤田紀子さん)の涙が印象的でした。

我が子ではなく、弟子になったのです。

兄弟揃って相撲界に入ったのですが、あとから兄の花田勝(元若乃花)さんの言に寄りますと「弟を守るために入門した」そうです。僕の記憶では「お母様からお願いされた」と話していたように思います。

二人とも努力の末に横綱まで上りつめたのですが、その途中で起きたのが貴乃花と女優宮沢りえさんの婚約騒動でした。人気力士となりもうすぐ大関になるという時期に若手女優として人気抜群だった宮沢さんとの婚約でしたのでマスコミが注目するのも当然でした。

今でも頭の中に残っている見開きページの写真があります。当時は写真週刊誌がブームだったのですが、その写真は記者会見を二人のうしろから撮っていました。二人の背中越しに集まったマスコミの人たちが写っているのですが、テーブルで覆われていてマスコミ側からは見えないのですが、二人は仲睦まじく手をつないでいました。どれほど二人がともに相手を好きでいたかが伝わってくる写真です。

しかし、その僅か2ヶ月後婚約は破談になるのですが、貴乃花は「気持ちが冷めた」とインタビューに答えていました。誰が考えても納得できる答えではありません。あれほど好きあっていた二人が簡単に気持ちが冷めるのは不自然です。二人に外部から圧力があったと想像するのが普通です。

後年、二人の破局について兄の花田勝さんは「他人には言えないいろいろなことがある。二人はかわいそうだった」と話していました。また歌手の美川憲一さんは2014年に唐突に二人の破談について語っています。当時美川さんは宮沢さんのお母様と親しくしていたらしく、お母様から依頼されて自分がりえさんを説得したそうです。

真偽のほどはわかりませんが、いくら本心から相手を好きになったとしても、周りの大人からしますと「若さゆえの一時の気持ちの高まり」と考えるのが普通です。どちらもまだ若く将来がある身でしたので、二人を思いとどまらせるなんらかの圧力があっても不思議ではありません。「圧力」という言葉が強すぎるなら「説得」です。どちらにも説得があったのは間違いのないところでしょう。

先ほど兄の花田勝さんのコメントを紹介しましたが、実は二人は仲違いの関係にあります。花田さんがいろいろな場で語っていますのでご存知の方も多いでしょうが、花田勝さんが「あいつ(弟)だけは許せない」と話していた言葉が二人の仲の悪さを表しています。

しかし、実はつい先日僕は驚くような花田さんのお話を聞く機会がありました。先場所は元貴乃花部屋の貴景勝関が優勝しましたが、あるスポーツ番組で花田さんに感想を聞いていました。そのとき花田さんは次のように話したのです。

「貴景勝は元貴乃花が育てたので元親方も喜んでいるのではないでしょうか。貴景勝が優勝できたのは元親方の育て方がよかったからだと思います」

僕は花田さんが弟である元貴乃花を辛辣に批判していることを知っているだけに弟を思い遣るこのコメントには本当に驚きました。もしかしたなら二人が仲直りをする兆候かもしれません。

先月、お亡くなりになりました元横綱輪島さんは兄弟を小さな頃から知っている方でしたが、二人が仲違いをしていることを気にかけていたそうです。輪島さんの人生も波瀾万丈で、親方時代に事件を起こし相撲界を追われ、自由奔放に生きていた方ですが、お亡くなりになったときは元貴乃花のお母さんである藤田紀子さんは感謝の気持ちを話していました。

実は藤田さんが貴乃花のお父様である貴ノ花関と結婚するとき、ものすごい反対に遭っています。部屋の親方は実の兄であり名横綱と言われていた二子山親方でしたが、「死ぬほどなぐられた」という記事を読んだことがあります。それほどの反対に遭いながらも結婚したのですが、息子の貴乃花とは違う決断をしたことになります。

藤田さんの感謝は「貴ノ花関とデートをするときはいつも輪島関が一緒にいてくれた」ことに対してです。もちろん一緒にいたのはマスコミ対策ですが、それがのちに「若貴兄弟は異父兄弟』という噂にもつながっているようです。(輪島さんが父親という説です)

相撲の世界は親方と弟子が似たような名前であり、ときには同じ名前のこともありますのでわかりにくくなりますが、話を元貴乃花関(当時は貴花田)と宮沢さんの話に戻します。

婚約が破談になる理由として「気持ちが冷めた」とマスコミに答えていた貴乃花関ですが、当時の気持ちが不安定でいたのがわかる映像を見たことがあります。関取は巡業に行ったときにお客さんの間を通って土俵に向かうのですが、そのときにお客さんは関取の身体に触ったり軽くたたいたりします。親愛の気持ちを込めて行うのですが、貴乃花は身体をたたいたお客さんをものすごい形相でにらんだのです。おそらく気持ちがいらついていたのでしょう。こうした振る舞いからも婚約破談が自らの意思で決めたことではないことが想像できます。

もちろん宮沢さんにもショックはあったようです。週刊誌では自殺未遂報道などもありましたが、みるみるうちにやせ細っていったのがわかりました。ショックの大きさが伝わってきた容姿でした。宮沢さんはその後一時期芸能活動を行わない時期があったのですが、僕は復帰するきっかけを作ったのは脚本家の倉本 聰さんだと思っています。

倉本さんの作品で有名なものに「北の国から」がありますが、宮沢さんはその特別編「’95 秘密」で芸能活動を再開しています。僕からしますと、まるで倉本さんは宮沢さんを復帰させるために書いたような内容でした。気になる方はネットで調べてください。

宮沢さんは、現在はVの森田剛さんと結婚して幸せな生活を送っていますが、元貴乃花関はこれからが正念場です。僕は、元貴乃花関は宮沢さんとの婚約破談に対して、心の区切りをまだつけていないように思っています。元貴乃花関はその後河野景子さんと結婚していますが、無理やり愛情を思い込もうとしているように感じていました。

親方時代にテレビなどで見かけることがありましたが、話し方にしても振る舞いにしても本来の自分の姿をさらけ出していないような感じをずっと受けていました。「自分を作っている」という感じです。

結局、元貴乃花関は相撲協会と揉めた後、降格人事に遭い、最後は相撲部屋まで畳むことになっています。いろいろ大変でしょうが、一般人とは違い一時代を築いた人ですのでいくらでも収入の道はあると思います。

兄弟の確執の解消も含めて、今回の騒動がよい方向に展開することを願っています。

やっぱり、恋って突き進んだほうがいいんじゃないかなぁ。

「やらない後悔」は「やった後悔」よりも強い。

じゃ、また。

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posted by satoaki at 13:56 | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする